「7月に日本で大災害が起こる」「想定をはるかに超える壊滅的な…」――ネット上を騒がせる"大災難予言"が嘘とも言い切れない理由

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台湾のニュースメディア「風傳媒」は、「2025年7月5日に日本を中心とした巨大地震と津波が発生するという『予言』が、台湾や香港のSNS上で急速に拡散し、現地では不安の声が広がっている」と伝えた(「7月5日、日本で大地震」予言SNSで拡散 台湾・香港で訪日控える動きも/2025年5月14日/風傳媒日本語版)。

旅行客にまで影響が出始めたこともあり、内閣府が「地震の予知は困難」と異例のコメントをする事態になった。

「世直り」と「自己変革」

このような騒動を「嘘八百」「でたらめ」であるとして、一笑に付す人が多いかもしれないが、このような破局的な予言が流行する現象には、実に多くの「真実」が含まれているので要注意だ。

とりわけ重要なキーワードとなるのは、「世直り」と「自己変革」である。前者は古くから庶民に親しまれてきた“災害観”だとすれば、後者は近代特有の変身願望に根差している。

予言といえば、1970年代から1990年代にかけて世の中を席捲した「ノストラダムスの大予言」が有名だろう。「1999年の7の月、空から恐怖の大王が降りてくる」というフレーズは多くの人々に浸透し、オウム真理教のようなカルト宗教に入信する人々まで現れた。

さらに時代をさかのぼれば、大正時代に関東大震災を予言したとされる宗教家(新宗教「大本」の教祖の一人である出口王仁三郎)の逸話などがある。

近現代にだけフォーカスすると、最近の現象のようにも思えるが、日本は地震国ということもあり、古来様々な予言が人々の間で語られ、消費されてきた。

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