「日立を次のステージへ」――、德永新社長が明らかにした新中計「3つのポイント」とは?

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(写真:編集部撮影)

「日立を次のステージへ――」

4月に日立製作所の社長に就任した德永俊昭氏が、就任前後から社内外で繰り返し用いているフレーズがこれだ。では、日立の次のステージとは一体どんなものなのか。4月28日に行った決算説明会で、その一端が明らかになった。

3つのポイント

決算説明会で德永社長が語った内容には、大きく分けて3つのポイントがある。それは、「ルマーダ」の再定義、ポートフォリオ改革の徹底、そして組織体制の刷新だ。これらを実施することで「真のワン日立」を実現するという。

同日示した2027年度までの3カ年の経営計画では、売り上げや利益についての目標も示した。会社側が開示した成長率目標から逆算すると、2024年度に9.8兆円だった売上収益を2027年度には約12.5兆円、同じく1.1兆円だった調整後EBITA(利払い前・税引き前・一部償却前利益)は約1.75兆円まで成長させる。

なかでも際立つのはルマーダ事業の成長率だ。2024年度の調整後EBITA、4500億円に対して、3年後に1兆円超を目指す。

ルマーダが誕生したのは2016年5月のこと。そこから現在までの積み上げを、次の3年間で上回るという途方もない目標を掲げた。

4月1日、新入社員に「変化にすばやく対応して、機敏に行動する力を磨いてほしい」と呼びかけた德永俊昭社長(記者撮影)

德永社長は新入社員に対し「企業理念以外すべてを変える」と宣言し、経営の中心メンバーによる活発な議論を通じて戦略実行への機運を高めている。

しかし、足元の事業環境は厳しく、特にアメリカの関税政策や景気変動は懸念材料だ。それでも德永社長は、リスクと共にある新たな成長機会を追求し、持続的な成長を目指す姿勢を示している。グローバル・エクセレントカンパニーとしての真価が、この荒波の中で試されることになる。

本記事はダイジェスト版です。図表を含む詳報な分析記事は「東洋経済オンライン」のサイト上でご覧ください。

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梅垣 勇人 東洋経済 記者

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うめがき はやと / Hayato Umegaki

証券業界を担当後、2023年4月から電機業界担当に。兵庫県生まれ。中学・高校時代をタイと中国で過ごし、2014年に帰国。京都大学経済学部卒業。学生時代には写真部の傍ら学園祭実行委員として暗躍した。休日は書店や家電量販店で新商品をチェックしている。

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