日本企業が「大企業病」を脱するための処方箋 巨大企業「日立」の壁はとてつもなく高かった

「沈む日立」と言われた
今から10年以上前、日立製作所が「経営の危機」にあったことを記憶している人は多いと思います。
今世紀に入って間もない2008年度の決算で7873億円の当期損失を計上するという経営危機に陥り、地獄を見ます。リーマンショックに端を発する世界的な金融危機が引き金となりましたが、実際にはもっと根深い問題が隠れていました。
「もう一度大赤字を出したら今度こそ倒産してしまう」
当時、ドイツのグループ会社にいた私は、本当にそう思い詰めていました。
幸い、未曾有の危機に際して2009年に経営を引き継いだ川村・元会長と、故中西宏明・前会長の大胆な経営改革により、日立は危機から立ち直りました。大きな「壁」を越えたのです。3年後の2012年3月期には、過去最高の当期利益を達成し、V字回復を果たした2人の手腕は喝采を浴びました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら