詳細を知るのは創業者と社長の2名のみで、社員は誰も知らない。ただ、スープを提供できる状態にするためには、秘伝のベースに白菜を160g加える必要がある。けれど白菜は夏は苦みがあり、冬はみずみずしくて甘い。
この味のブレを調整して、ストライクゾーンに寄せていく役割を担う人を育てるために、神座は「スープソムリエ」という資格制度を用意。「おいしいラーメン」の味を守る技術の体系化に成功している。

スープソムリエの資格は7段階に分かれており、「何人前をどれだけ適切な時間で作れるか」「豆板醤やにんにくなど、調味料の量を適切に調節して味をストライクゾーン内に収められているか」などを確認する実技試験、筆記試験がある。その両方の結果で、ソムリエのランクが決められるのだ。
神座の厨房にいるスタッフはほぼ全員がソムリエ資格を持っており、平均100時間学べば4ランク目までは資格がとれるそうだ。
けれど、7ランク目の「スープソムリエ管理官」は難関で、社内でわずか2名しかいない。彼らは「スープの番人」と呼ばれ、新人店長の教育や技術チェック、試験などを行っている。いわば、技術と味の継承者なのだろう。

スープソムリエの手で「黄金スープ」へ
では、スープソムリエはどうやって「おいしいラーメンのスープ」をつくるのか。まず、「秘密の黄金色のスープ」が専用工場から各店に届き、そこに醤油の「かえし」やブレンド脂、調味料などを足す。これで白菜を茹であげ、一杯一杯すべての味見をして調整し、完成に至るのだ。

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