「猫ロボットで効率化だ!→採用も増えちゃいました」 ガストやしゃぶ葉で導入の配膳ロボット。運営会社も驚いた“意外な効果”を聞いた

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スタッフに向けても、起動時の、「ハロー! 今日も元気に、一緒に頑張ろうニャ〜」というセリフや、配膳開始時に「お料理ありがとう!」というセリフなどがプログラムされており、「共に働く仲間として親近感が持てる」という声が上がっている。

すかいらーくホールディングス ベラボット
「ありがとね」など、猫型ロボットに話しかけるスタッフも(写真提供:すかいらーくホールディングス)
すかいらーくホールディングス ベラボット
暇になると、鼻ちょうちんを出して居眠りする(写真提供:すかいらーくホールディングス)

もちろん顧客にとっても、猫型ロボットは「癒やしの存在」になっている。

「愛らしい表情でおしゃべりもしてくれることから、お子様からシニアのお客様まで幅広いお客様にご支持をいただいており、ロボットに会いに来られるお客様もいらっしゃいます」と広報担当者。

季節やフェアに合わせて衣装も変わるため、リピーターのひそかな楽しみにもなっているようだ。

「人間らしい働き方」を促進するワークモデル

確かな成功を収めている猫型ロボットの導入。すかいらーくグループでは、すでに必要なブランドへの導入は完了したという。今後は、ロボットの進化に合わせて機能の拡充を図る予定だ。

広報担当者は、「DXや人への投資を通じて、従業員一人ひとりの能力を高め、付加価値を生むことを経営の基本的な考えとしています。これからも時代とニーズに合わせたサービスを提供できるよう努めます」と回答した。

頭に触れると喜んでくれるが、なですぎると「やめて! しつこいにゃん!」と怒られるのでご注意を(写真提供:すかいらーくホールディングス)

同グループのような「ロボットと人の共存」モデルは、機械化による省人化・合理化と一線を画す。むしろ「ロボットを導入するからこそ、人間にしかできない業務に集中投資できる」好例だ。

テクノロジーの導入が「人間らしい働き方」を阻害するのではなく、促進する。そんなワークモデルを示しているのではないか。

特にシニアや障害者、外国人などの「眠れる人材」を掘り起こし、活躍の場を広げている点は、人手不足に悩む多くの産業にとって示唆に富む事例だと感じた。

【もっと読む】「高校生に大人気」「安いのに美味しい」…。食べ放題1539円~で300店舗を突破した「しゃぶ葉」。ブームの背景と"安くても儲かる"ワケ では、本記事でも登場した「しゃぶ葉」の躍進の背景について、ライターの笹間聖子さんが取材、豊富な写真とともに詳細にその魅力を解説している。
笹間 聖子 フリーライター・編集者

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ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルはホテルビジネス、幼児教育、企業ストーリー。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界専門誌で16年間執筆を続けており、ホテルと経営者の取材経験多数。「週刊ホテルレストラン」「ダイヤモンド・チェーンストアオンライン」「FQ Kids」などで執筆。企業のnote発信サポーター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

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