配膳ロボットの仕事内容は、おもに厨房からテーブルへの料理の配膳だ。同グループのしゃぶしゃぶ食べ放題の店「しゃぶ葉」では、食べ終わった皿を下げる役割も担っている。
猫型ロボットが運べる重さは最大40kgまで。裏側が全4段の棚構造になっており、各棚10kgまでのせられる。実に頼もしい存在だ。さらに驚くべきことに、配膳ロボット1台の1日あたりの平均走行距離は、4kmに達するという。多い店舗では1日に22km走行した実績もある。
この距離の長さは、フロアスタッフが1日に歩く距離の負担軽減につながっている。グループに約3000台を設置して以降、スタッフの勤務中の歩行数が42%も減少。同時に、料理を運ぶ際の腕の負担が軽減される効果も得られたそうだ。

労働に投資しても人件費率は低下、収益アップに
しかし、すかいらーくグループのロボット導入の狙いは、単なる「従業員の負担軽減」や「省人化」だけにはとどまらない。
「ロボットを導入することで人を減らすのではなく、人とロボットとの協働により、お客様満足度と従業員の働きやすい環境づくりを実現しています」と、同グループの広報担当者は語る。
ロボットが配膳業務を担うことで生まれた時間的余裕を、接客サービスの質向上や、満足度を高めるための教育トレーニングに振り分けているのだ。
加えて、週末などのピークタイムにスタッフの労働時間を集中させることで回転率をアップ。労働に投資しても人件費率は下げ、確実に収益を生み出せるビジネスモデルを構築している。
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