通常は、お見合い相手の都合も考えて、時間と場所を調整します。同日に3人、しかも同じ場所はかなり難しいわけです。しかし、翔さんは意にそぐわないと、「これだと交通費がかかってコスパが悪い」と主張。「お相手の事情もありますので、これが限界です」と説明してもわかってもらえません。
徹底した翔さんの「コスパ」重視
初デートは通常、ランチやディナーを楽しむものですが、翔さんは必ず散歩を提案します。あるときは3時間、4時間とひたすら歩いて、女性が「足が痛い」と訴えると、ようやく「ベンチに座ろうか」と言いました。女性が「お腹が空かない?」と尋ねても、「空いてないよ。朝ご飯をいっぱい食べてきたから」と返し、自分のことしか考えていない様子だったそうです。
3回のデートすべてが散歩で、業を煮やした女性が「カフェに入りましょう。私がごちそうします」と申し出ましたが、翔さんは「女性におごってもらうわけにはいかない。男のプライドが許さない」と断り、コーヒーとスナック菓子を購入しました。
結局、食事らしい食事はしないまま、デートは夜9時すぎに終了。女性は帰り道、コンビニで買ったお弁当を手に「コスパ男子はいやだ」と涙がこぼれたそうです。
「結婚したらどんなところに住みたいですか?」と、結婚後の新居の話になると「駅から15分歩くと家賃がグッと下がるので、コスパがいい」と翔さんは言います。
翔さんの自宅は駅から徒歩30分ほどの距離にあり、女性がヒールで長時間歩くことは大変だと気づいていません。揚げ句の果てに、こう言ったそうです。
「歩くのが嫌なら、自転車を貸してあげますよ。僕の自転車は10年前に1万5000円で購入したもの。年間1500円、1カ月125円。コスパがいいでしょう」
翔さんはカウンセリングでも「コスパ」を連呼するため、私が「正」の字を付けて数えたところ、45分間に17回も発言していました。
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