<独自>芝浦電子へ“同意なき買収”の台湾ヤゲオ会長「1株6200円でも投資回収できる」、最大の関門「安全保障の懸念」をどう乗り越える?

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買収したトーキンとのシナジーについて説明するチェン会長(撮影:穐吉洋子)
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台湾の電子部品大手、国巨(ヤゲオ)による芝浦電子への「同意なき買収」が進行している。5月9日、1株6200円で芝浦電子へのTOB(株式公開買い付け)を開始。この買い付け価格は対抗するホワイトナイトのミネベアミツミの価格を700円上回る。

ヤゲオがTOBを成立させた場合、日本のTOB史でも数少ないホワイトナイトが買収阻止に失敗した事例になる。一方でヤゲオは外為法(外国為替及び外国貿易法)の審査がまだ完了しておらず、経済産業省などによる審査結果次第ではTOBの撤回をやむなくされる可能性が残っている。

ヤゲオのピエール・チェン(陳泰銘)董事長(会長)に、今後の展望を聞いた(インタビューは5月12日までに東京で実施)。

芝浦電子の将来性を確信

――芝浦電子へのTOB価格を6200円へと大幅に引き上げました。投資回収の難度がかなり高まったのではないでしょうか。

私はこの金額でも十分、投資回収できると考えています。芝浦電子は私たちと一緒に、欧米を中心とする世界市場で大きく成長すると信じている。だからこそ今回、6200円という価格を提示しました。

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