「また“あの団地”出てきた」「いつか住みたい…」 NHK『しあわせは食べて寝て待て』に登場する《レトロ団地》がブームになっている“なぜ”

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是枝氏は、映画公開時のインタビューで、「今の団地を肯定も否定もしたくなかったんですよ。(中略)昭和で時間が止まっているわけではなく、母・淑子が平成をどう生きているのか、楽しく生きるためにどんなことをしているのかまでちゃんと見せたいということは意識しました」と語り、団地の世界観を作るため、当時よく使われていた小道具までリアルに再現しています。

清瀬旭ヶ丘団地
是枝裕和監督も住んでいたという「清瀬旭が丘団地」(写真:UR都市機構サイトより)

東京・赤羽の名団地「桐ケ丘団地」で撮影されたドラマ

今年、映画化が決定した、福山雅治さん主演のTBS日曜劇場『ラストマン』(2023年)。その第1話でも、昔ながらの団地がメインのロケ地として登場しました。東京都北区にある「桐ケ丘団地」です。

桐ヶ丘団地
『ラストマン』に登場した「桐ケ丘団地」(筆者撮影)

JR赤羽駅から歩くこと20分。「桐ヶ丘中央商店街」が中心にあり、それを取り囲む住居棟は、新旧の建物が入り交じっています。

中央のレトロな商店街は、容疑者役の宮沢氷魚さんが潜伏している場所として登場し、福山雅治さん扮するFBI捜査官や、大泉洋さん扮する刑事も踏み込むシーンが撮影されました。

中にはシャッター店も見られますが、昭和レトロを感じるお店がいまもいくつか営業しており、まさに時が止まったかのような魅力的な場所です。

桐ヶ丘団地
商店街を取り囲むようにして団地が建っています(筆者撮影)
桐ヶ丘団地
かつてはかなりの賑わいだったことがうかがえます(筆者撮影)

昭和の生活の縮図ともいえる「団地」。その団地が形成するコミュニティは、いまや珍しい濃密な人間関係の残っている貴重な場所でもあります。これほどまでに団地に惹かれてしまうのは、現代を生きる我々が、心のどこかでそれを求めているからなのかもしれません。

桐ヶ丘団地
懐かしく、独特な雰囲気を醸す「桐ケ丘団地」(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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