「また“あの団地”出てきた」「いつか住みたい…」 NHK『しあわせは食べて寝て待て』に登場する《レトロ団地》がブームになっている“なぜ”

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何かと忙しい日々、このようなゆったりとしたドラマを、あえて後日配信でじっくりと観たいという層に、ぴったりとはまったのかもしれません。

そして、このドラマの隠れた主役ともいえるのが、ロケ地となった「滝山団地」です。

滝山団地
滝山団地の案内図(筆者撮影)

東京都東久留米市にあるこの巨大な団地は、高度成長期の東京での住宅不足を解消するために造成されました。総戸数は3200を超える、まさに「街」。1968年に入居開始で、当時は珍しかった分譲がメインの団地だったこともあり、当時から暮らす住民を中心に、現在では高齢化が進んでいると言われています。

資料によると、高齢化率30%以上の団地が占める割合は、団地全体では3割程度であるのに対して、滝山団地のように入居開始から40年以上を経過した団地では、極端に高齢者の割合が高くなっており、6割弱を占めています(国土交通省「持続可能なまちづくりに向けた住宅団地再生の手引き/2022年」より)。

2024年の人気ドラマにも登場

滝山団地へ行くには、西武新宿線花小金井駅、または西武池袋線のひばりが丘駅、東久留米駅などからバスでのアクセスが一般的。「滝山団地中央」バス停に着くと、そこは文字通り団地の中心部で、周辺には昔ながらの商店街や学校、病院などもあり、日常の生活はここで完結できます。

滝山団地
バス停に降り立てば、そこは団地の中心部です(筆者撮影)

さらに、この団地の特徴は、敷地の中央を南北に貫く、1.2キロの「歩行者専用通路」。ただの通路ではなく、高齢化が進んでいる現代において、道路沿いにある公園や公民館などを含めて、住民たちの交流の場としてコミュニティ形成に役立っています。

滝山団地
歩行者専用の道路として整備された遊歩道。住民の憩いの場として機能しています(筆者撮影)
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