「健康診断で見逃されているかもしれない」血管の隠れたリスク

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その違いは一体何でしょうか?

答えは、先ほども述べた「血管内皮細胞」の機能にあると考えられます。

この血管内皮細胞の機能の状態は、「FMD(Flow-Mediated Dilation)検査」で知ることができます。

血管内の幅が、安静時からどれだけ広くなるかを測定します。

また、この検査によって、血管内皮細胞が「一酸化窒素」をしっかり作り出せているかがわかります。一酸化窒素には、次のような作用があります。

血管を広げる作用

血栓の形成を防ぐ作用

血管の壁が厚くならないようにする作用

これらの作用によって、血流が保たれているのです。

例えば、狭心症の治療薬である「ニトログリセリン」は生体内で代謝され、一酸化窒素になることで血管を広げます。

FMD検査が受けられる医療機関は少ないのですが、検査の装置を発売している「ユネクス」のホームページで検索できます。

健康診断で、血圧や血糖値、コレステロールなどの数値が気になっている方は、一度受けてみてください。

血流力アップが「寝たきり」を防ぐ

人生100年時代といわれる今、健康長寿でいるためには、「寝たきり」状態を避けることが一番重要です。

内閣府の高齢社会白書(令和4年)によると、65歳以上で、介護が必要になった主な原因は、「認知症」が18.1%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」が15%、「高齢による衰弱」が13.3%、「骨折・転倒」が13%となっています。

性別にみると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」が24.5%、女性は「認知症」が19.9%と特に多いようです。

実は、これらすべてに「血流」が関わっています。

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