「健康診断で見逃されているかもしれない」血管の隠れたリスク

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筑波大学の研究者が心筋梗塞などの冠動脈疾患(心臓の血管の病気)の発症率を調べたところ、中性脂肪の値が上がるほど、発症リスクが上がりました。

私たち医療者は、診察の際にコレステロールの値をとても重視しています。

健康診断などで「高血圧」といわれて、受診される患者さんはたくさんいます。しかし、高コレステロールなどの「脂質異常症」については、検査結果として出ても、受診しない人が多いのです。

しかし、中でもLDL(悪玉)コレステロールの数値は重要です。さらに、この研究では、中性脂肪、特に食後高脂血症も重大なリスクになることが示されました。

さらに、血圧についても、診察室では正常なのに普段の血圧が高い、「仮面高血圧」に注意しましょう。診察室での血圧が、正常の140/90㎜Hg(以降単位省略)未満でも、それ以外の場所で測った血圧が135/85以上の状態のことです。

24時間の血圧の平均値が130/80以上、夜間の血圧が120/70以上、早朝の血圧が135/85以上などの場合も該当します。

ある研究では、通常の高血圧には及ばないものの、仮面高血圧や白衣高血圧(診察室でのみ高血圧)でも、心血管疾患のリスクが上がることが示されました。

これらは、健診では見つかりません。

そのため、健診以外の場で、135/85以上の血圧が測定されたら、仮面高血圧を疑い、まずは食事と運動を変え、治療を考えた方がよいでしょう。

自分の「血流力」を知るには?

「血圧」「血糖値」「コレステロール」のうち1つでも異常があると、冠動脈疾患や脳卒中の危険が高くなります。

しかし、これらが正常でも、冠動脈疾患などの血管の病気を防げないことがわかっています。さらには、同じ数値でも病気になる人とならない人がいます。

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