「健康診断で見逃されているかもしれない」血管の隠れたリスク

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ヨーロッパの研究結果では、空腹時の血糖値が基準値内でも、食後高血糖が認められると、死亡リスクが1.5倍に上がりました。

また、空腹時の血糖値が110以下でも、食後2時間後の値が200以上の「隠れ糖尿病」の場合、死亡リスクは2.0倍にもなります。空腹時の血糖値よりも、食後の血糖値が高い方がリスクに直結するのです。

なるべく、普段から血糖値を上げにくい食材を選んで食べるようにしましょう。

ただ、同じ食品を食べても、血糖値が上がってしまう人とそうではない人がいます。

通常、食事をして血糖値が上がると、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて、速やかに血糖値が下がります。

このインスリンの作用が、肥満(特に内臓脂肪)、運動不足、遺伝、年齢、喫煙などによって効きにくくなった状態を、「インスリン抵抗性」といいます。

インスリン抵抗性になると、血液中に糖や脂肪が溢れた状態になり、「血管内皮細胞」の機能が低下してしまいます。こうなると、血糖値が上がりやすくなってしまうのです。

さらに、高血糖の状態が続くと、膵臓のインスリンを作る力が弱くなり、インスリンを作る細胞が壊れて減っていきます。そうなると、血糖値を下げる手段がなくなり、悪循環に陥ってしまうのです。

検査で見逃されているかもしれない「食後高脂血症」と「仮面高血圧」

同じく検査で見逃されている可能性が高いのが、「食後高脂血症」です。食後に中性脂肪などが、異常に増えている状態です。糖尿病やメタボリックシンドロームでよく見られ、インスリン抵抗性が関係しているといわれています。

実は、コレステロールは食事ではあまり変動しません。食後に上がるのは中性脂肪なのです。

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