「健康診断で見逃されているかもしれない」血管の隠れたリスク
1位の「認知症」は、「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「その他の認知症」の大きく3つに分けることができます。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では、血管内皮細胞の機能の低下が認められています。特に、脳血管性認知症は、脳の血管の血流に問題が生じることで起こるのです。
認知機能の指標として行われる簡単な検査「MMSE(ミニメンタルステート検査)」の点数は、アルツハイマー型認知症の場合を含めても、血管内皮細胞の機能と相互に関係しています。
血管内皮細胞の機能が低いほどMMSEの点数が低く、逆もまた然りです。
つまり、血管内皮細胞の機能の改善によって、認知症を予防したり進行を遅らせたりする可能性があるということです。
最近の知見では、血管年齢を上げる糖尿病や高血圧などの生活習慣病と認知症が、深く関わっていることもわかっています。
2位の「脳卒中」は大きく脳梗塞と脳出血に分かれます。どちらも動脈硬化が原因です。脳卒中の一番の危険因子は、高血圧ですが、他にも次のようなものがあります。
脂質異常症
心房細動(不整脈の一種。心臓の一部に血栓がつきやすくなり、脳梗塞の原因となる)
過度な飲酒
喫煙
脳梗塞を発症した人は、特に、血管内皮細胞の機能が低下しています。
隠れ脳梗塞といわれる「大脳白質病変」は、脳の毛細血管などの血流が低下することによって起こるとされています。また、症状が重いほど、血管内皮細胞の機能が低下しているようです。
毛細血管は、ほとんどが血管内皮細胞でできているため、より血流に影響が出やすいのでしょう。
血流をよくする習慣を心がける
3位の「骨折」については、閉経後の女性に多い、「骨粗しょう症」が、血管内皮細胞の機能の低下と相互に関連している可能性があります。
動物実験のレベルですが、骨への血流が骨の形成とミネラル化に関わっていることがわかっています。血流が悪ければ、骨の形成にも影響すると思われます。
私たちが生きるために必要な栄養や酸素などは、全身に張りめぐらされた血管を流れる血液によって、体中の細胞に届けられています。そのため、体の一部で血流が滞っているということは、全身の血流が低下しているというサインなのです。
血流のケアは全身、そして、みなさんの「未来」につながっています。
寝たきりを防ぎ、「健康に毎日を過ごせる」未来のために、血流をよくする習慣を心がける必要があるのです。
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