部下の自立性を尊重し「邪魔をしない」ことで結果を出す。老子が説くリーダーとは英雄やヒーローではなく「陰に隠れた存在」

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部下の自主性に任せるリーダー
リーダーがなにもしないで部下が結果を出すための重要な条件とは?(写真:mits/PIXTA)

ご存じのように『老子道徳経』とは、中国春秋時代の思想家である老子が書いたとされる書物。その思想を表す「無為自然」に明らかなとおり、老子については「なにも積極的な行動をせず、自然の摂理に沿って隠遁生活を送る」というイメージが強いかもしれない。

老子の考え方はビジネスにも応用できる

『戦略書としての老子: ビジネスという戦場の攻略法』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

しかし『戦略書としての老子: ビジネスという戦場の攻略法』(原田勉著、東洋経済新報社)の著者によれば、老子のなかには「天下をとる」「天下を治める」ということばが複数見受けられるのだという。

政治家がいかにして天下をとり、国を治めるべきかを述べているということであり、決して消極的な隠遁生活を語っているわけではないのである。

そう考えると、老子の考え方はビジネスにも応用できると解釈することができる。

したがって、著者による以下の主張も興味深く受け止めることができるのではないだろうか。

老子の主張をマネジメントに翻訳するならば、それは「セルフマネジメント」になる。自分で自分の仕事をコントロールし、管理していくことであり、他人の仕事については他人に任せる。つまり、自分のみならず他人に対しても、セルフマネジメントを追求していくことが老子の教えのポイントになる。(「はじめに」より)
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