団塊世代を考える際に「時代背景」として重要なのは、彼らが「終戦直後に生まれている」ということです。
団塊世代の「3つの特徴」を知る
1947~1951年に生まれている団塊世代は、戦前からの「古い価値観」を引きずっています。
ただ、彼らが「戦前世代」と異なる点は、「古い価値観」を引きずっていると同時に、戦後の「新しい価値観」も併せ持っているということです。
終戦直後という「時代の変わり目」に生まれ、幼い頃から民主主義教育や欧米のカルチャーに囲まれて成長した世代のため、戦前の「封建性」と、戦後民主主義による「革新性」という、相矛盾する要素がひとりの中に共存しているのです。
「封建性」が前面に押し出されると、「ペンペン草も生えない」ことになります。
「革新性」が家庭に持ち込まれると、「私生活」を大切にする新たな生活スタイルを生み出すことになります。
次に、団塊世代の特徴として重要なのは、ほかの世代より圧倒的に勝る「数の多さ」です。その「同世代の人間の数の多さ」こそ、団塊世代の特徴を形成してきた最たる要素ではないかと、私は考えています。
団塊世代は人数が多く、厳しい受験戦争があり、当時は「4当5落」と言われました。「4時間睡眠なら大学に合格するけど、5時間睡眠では落ちる」と言われたほどです。
生まれた人数が飛び抜けて多いため、何事につけても激しく競争してきました。
「つねに隣人や周囲から後れを取ってはいけない」という環境の下で育った結果、強い競争意識と闘争心を身に付けざるをえなかったのです。
団塊世代は、「戦争の呪縛」から解放された最初の世代です。
『戦争を知らない子どもたち』というフォークソングが流行し、「戦争なんて知らないよ」と歌いながら、公然と戦争に反対の意志を表明しました。この新たな価値観は、上の世代との「ジェネレーションギャップ」も生み出しました。
しかし、「戦争の呪縛」から解き放たれても、「思想の呪縛」からは自由になり切れなかった、それが団塊世代の特徴です。
強い自己主張、ほとばしるようなそのエネルギーは、独自の若者文化を生み出す一方で、ベトナム反戦運動や学園紛争といった「公=権威を批判する」行動へとつながっていったのです。
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