60代「団塊世代」はなぜこんなに嫌われたのか 「付き合いにくい」理由が今、明らかに!

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一見、「古い価値観」から自由になったように見える団塊世代。しかし、どんなに自由そうに見えても、抜け出せない「思考の枠組み」がありました。

当時、米国とソ連は冷戦状態にあり、自由主義と共産主義思想が対立し、ベトナム戦争やイラン革命も起こっていました。そんな激動を前に、「思想を頼りにして世界を変革しよう」という発想を抱き、その「思想の呪縛」から抜け出せなかった世代とも言えるでしょう。

では、そんな団塊世代と、いったいどうすれば、うまく付き合うことができるのでしょうか?

団塊世代の「プライド」をくすぐる

団塊世代は戦後、「時代の担い手」として活躍してきた人たちです。戦後の新しい米国文化を取り込み、若者文化を始めたのも、彼らが最初です。

そのため、団塊世代は「日本初」「世界初」というフレーズが比較的好きです。

団塊世代を攻略するキーワード、それは「あなたは日本で初めて◯◯した人たち」です。

団塊世代はずっと「時代の担い手」だったので、そこを大事に、彼らのプライドをくすぐってあげると、彼らの心が動くのです。

実は、「日本の私生活にイノベーション」を起こしたのが団塊世代です。

そこで、「日本の若者文化をつくった人たちですよね」「ビートルズやローリングストーンズを支持した世代ですよね」「ジーンズやミニスカートを初めて履いた世代ですよね」などと、団塊世代の「革新性」の部分をリスペクトすると、「そうだよ、俺たちのことをよくわかっているな」となるのです。

会社にいるときは「封建性」が前に出て煙たがられた面もありますが、「革新性」の部分では「ヨコ」につながる意識を持つ人たちなのです。実際、リタイアした団塊世代によって、旅行もバイクもゴルフも楽器も活性化しています。また、団塊世代は「若者とバンドを組める最初の世代」でもあります。

「団塊消費」が注目されていますが、単に彼らにおカネを使わせようと思ってもダメです。「結局、俺たちの財布を当てにしているんだろう」と、へそを曲げるだけ。

そうではなく、「従来の高齢者観を大きく変えそうですね」「高齢社会を変えていくのではないですか」などと、彼らが今でも「時代の担い手」であることを強調すると、私生活での消費もより活発にしてくれるのではないでしょうか。

ポイントは団塊世代の「プライド」をくすぐること、キーワードは「日本で初めて◯◯した世代」です。ぜひ一度、団塊世代と話をするときに、実践してみてください。

今回紹介したような「世代論」は、確かに科学的な分析ではありません。あまり妄信しすぎることは危険ですし、「人それぞれ」個性による差が大きいのも事実です。

ただし、人間は多かれ少なかれ「生きてきた時代」の影響を受けているもの。世代論は、大まかに相手の特徴を把握するために有効なツールです。

各世代がどんな時代背景に育ち、どのような価値観に基づいて生活しているのか。「世代」という切り口で見れば、「身近な人」がまったく違って見えてきます。

ぜひ、仕事にも日常生活でも、コミュニケーションのヒントに役立ていただければと思います。世代論はうまく使えば、「最強の武器」になると私は信じています。

阪本 節郎 新しい大人文化研究所 統括プロデューサー

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さかもと せつお / Sakamoto Setsuo

1952年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、博報堂に入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室開設を推進し、2011年春、発展的に「新しい大人文化研究所」を設立。所長を経て現在、統括プロデューサー。

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