事件や出来事、ヒットした商品、熱中して見たドラマ。そのときに響いていたメロディ、共有した恋愛観、人生観、金銭観……。生きた時代によって、人間の経験には違いが生まれる。時代と環境が、その人の感性と行動原理を作り上げる。
だとすれば、「世代の違い」を的確に知ることで、遠かった「あの人」とも会話が弾む。その「世代の特徴」を把握すれば、相手への違和感も解消する。ビジネスシーンや商品開発にも有効な武器になる。
新刊『日本初!たった1冊で誰とでもうまく付き合える世代論の教科書』は、戦後70年の6つの世代――「団塊世代」「ポパイ・JJ世代」「新人類世代」「バブル世代」「団塊ジュニア世代」「さとり世代」――を、日本で初めて1冊にまとめ、時系列で論じた本である。
新刊の発売を記念し、今回から「世代論」の連載をスタートする。それぞれの世代の特徴とは何なのか? 「自分の世代」と「あの人の世代」との違いは? 共通点は?
第1回目のテーマは、戦後生まれの第1世代である「団塊世代」。あなたはこう感じたことがないだろうか? 「なぜ団塊世代は、あんなに『激しく嫌われた』のか?」と。
「団塊世代が歩いた後は、ペンペン草も生えない」
「団塊の世代が歩いた後は、ペンペン草も生えない」
昔、職場や居酒屋では、よくそんな言葉が交わされたものです。もちろん、団塊世代が席を外したその後で。「目障りなあの世代」を揶揄する言葉として。
その意味するところは、こんな感じでしょうか。
「団塊世代は、いつも自己中心でわがままで独善的だ。他を圧して自分ばかり主張する。人の意見に耳を貸さない。ほとほと暑苦しい。彼らが通り抜けた後にはペンペン草も生えない――」
団塊世代とは、1947~1951年に生まれた世代で、現在60歳代の中心を構成している人たちのことです。
日本にはおよそ1000万人もの団塊世代がいると言われ、そのボリューム感は突出しています。30代、40代の読者の中にも「親や上司が『団塊世代』だ」という人も多いかもしれません。
今回は、団塊世代の特徴の中から3つを取り上げ、彼らが身近な人、特に若い世代から「激しく嫌われた理由」を探ります。
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