「マニアックなのに難しくない」音楽番組が生まれては消えていく中、なぜ異色番組『EIGHT-JAM』は観られ続けているのか?

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こうして音楽をあらゆる側面から深く分析する”異色の音楽番組”として人気を呼ぶようになった。「プロが選ぶ」シリーズ以外にも、普段見ることのない“プロの現場”をドキュメンタリーとして放送したこともある。

「ゲスの極み乙女の川谷絵音さんは、楽曲制作の際、あまり事前準備をしないでレコーディングスタジオに入るという話をお聞きしたことがあったんですね。

その川谷さんにご登場いただいた際、『“作詞から作曲まで“を目の前でやっていただいてもよろしいですか』と無理なご提案をしてみたんです。すると快く『やってみましょう!』とおっしゃってくださり、目の前で曲作りをしてくださった。これがドキュメンタリーとしてとても興味深いシーンとなり、実際に放送したら反響も大きかったです」 

音楽に詳しくないからこその「一般化」

しかし、ここまでマニアックな内容を、どのように一般視聴者も楽しめるようにチューニングしているのだろうか。

ここでポイントとなるのが、「音楽番組の専門ではない」と自認する藤城さんが番組演出に深く関わっているという点である。毎回頭を悩ませながら、マニアックさが尖りすぎないように、絶妙なバランスをとっているという。

「番組の制作陣に音楽業界と関係の深い『ミュージックステーション』のスタッフがいるので、『こういう紹介の仕方はどうですか』と議論を重ねています。アーティストの皆さんから発信されるディープな部分が、バラエティー番組として成立させながら、視聴者の皆さんに伝わるようにしたい。

そのために音楽の専門用語をわかりやすく補足するように心がけているのですが、すべてを説明すると野暮になるので適度な感じを探っています。言葉にするのか、図にして視覚的に伝えるのか、どうやったらわかりやすくなるのかを意識して制作していますね」

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