『いいとも!』終了から10年、今も語られる凄み 公開収録の「新宿アルタ」は2025年営業終了へ

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「笑っていいとも!」最終回の日のアルタ
「笑っていいとも!」最終回の放送日を迎えたスタジオアルタが入るビル=2014年3月31日午前、東京都新宿区(写真:共同通信社)
1982年から2014年まで約32年間にわたり放送された『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系。以下、『いいとも!』)。東京・新宿の「スタジオアルタ」を拠点とし、タモリ(本名・森田一義)が司会を務めた、いまだ語り継がれるテレビ番組です。
今年3月31日で衝撃のグランドフィナーレから10年。3月21日には、公開収録の場であった新宿アルタビルが2025年2月末で営業終了、との発表がありました。そのような今、改めて『いいとも!』とは何だったのかを、社会学者で文筆家の太田省一さんが振り返ります(本稿は、太田さんの新著『「笑っていいとも!」とその時代』から一部を抜粋、再編集したものです)。

「いいともー!」が流行した理由

人気番組には、往々にして番組発の流行語が生まれる。正確には、流行語の誕生が番組の人気につながり、上昇気流に乗るきっかけになることが少なくない。

お馴染みの「いいともー!」も、そのひとつだ。

『いいとも!』開始から2カ月ほど経った頃、タモリとスタッフは、新宿・歌舞伎町でサラリーマン風の男性が、「課長! もう一軒いってもいいかな!」と叫び、それに課長が「いいともォ!」と応える場面に出くわす。

その場に居合わせた番組プロデューサー・横澤彪によれば、最初は3カ月だけという約束で司会を引き受けたタモリだったが、それ以降そのことは口に出さなくなったという。

このエピソードからもわかるように、「いいともー!」の強みは、誰でも使いやすく、しかもみんなが参加できるところにある。

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