番組のオープニングで、タモリが「それでは今日も最後まで見てくれるかな?」と言ってマイクを客席に向けると、観客が一斉に「いいともー!」と叫ぶ、あのお馴染みの場面を思い浮かべてもらえばよくわかるだろう。
素人には間やタイミングが難しいとか、そういう面倒なことはない。その日初めて新宿アルタに観覧にやって来た一般人でも容易に参加できる。さらに、家庭でも学校でも、あるいは職場でも、同じ「コール&レスポンス」の要領で、いろいろな場面で応用が利く。
NHK紅白での歴史的出来事
そうして広まった「いいともー!」が、いわば国民的流行語になったことを示す場面が、1983年の『NHK紅白歌合戦』で繰り広げられた。
その年、タモリは総合司会。NHKのアナウンサー以外の総合司会は、番組史上初のことだった。
『テレビファソラシド』出演によりNHKへの貢献が評価された面ももちろんあっただろう。だがそれだけではない。そもそも『テレビファソラシド』でのタモリは司会ではなかった。司会という意味では、やはり『いいとも!』の人気が大きかった。
その象徴的場面は、いきなりオープニングでやって来た。番組の冒頭、タモリは、これからいよいよ歌合戦というとき、「そろそろ始めてもいいかなー?」と客席に呼びかけたのである。観客席からも「いいともー!」の声が。
当時まだ驚異的な高視聴率(この年の視聴率は74.2%)を誇っていた国民的番組『紅白』でのこの〝歴史的出来事〟は、「いいともー!」がすっかり世の中に浸透したことを物語っていた。
そうして『いいとも!』が軌道に乗るなか、番組の代名詞になったのが「テレフォンショッキング」である。
「テレフォンショッキング」は、芸能人や著名人の日替わりゲストがタモリとフリートークを繰り広げるコーナー。
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