こうした優れた音場再現能力には、独自デジタルアンプ「S-Master HX」も大いに貢献している。「S-Master HX」は、ハイレゾ対応ウォークマンなどにも採用されているブランドだが、CAS-1に使われているものはまったく別設計。”S-Master”はソニーのデジタルアンプすべてに付けられているブランド、”HX”はハイレゾ対応を示しているが、言い換えればこの条件に当てはまるアンプは、すべてこのブランドなのだ。
しかしCAS-1内蔵アンプは、TA-DR1ESなど単体の高級オーディオコンポーネントなどにも使われたS-Master Proというフルデジタル構成回路を、現代の半導体技術に合わせて信号処理を進化させたバージョンを採用している。
自社独自開発の手慣れたデジタルアンプということもあり、デジタルアンプにおける音質の決め手となる出力フィルターに使うコイルに専用設計のトロイダルコアを採用するなど、長年のホームオーディオで培ったノウハウが結集されている。
小音量でも高い音楽性
さらに、小音量時に聴覚特性に合わせて周波数特性を調整するLow Volume Modeがを搭載しており、小音量でも音楽性を失わずに楽しめるモードも用意されている。小さな部屋の机でパソコンを使いながら聞いても、隣の部屋にいる家族にさほど気を使わずによい音を楽しめる。
さらにオフセンターでも楽しめるいい意味での“ゆるさ”と、小音量でも充分に満足できる音質を実現している点も伝えておきたい。
なお、Bluetooth接続のシステムとしても、LDACというハイレゾ音楽を転送する独自手順に対応。Xperiaやウォークマンとの組み合わせで、高音質なワイヤレス再生が可能なほか、内蔵するヘッドホンアンプはスピーカー用に電気抵抗を挟んで音量を下げるのではなく、別基板に組み込まれた専用設計回路となっている。
その設計はPHA-2というポータブルヘッドホンアンプの設計を踏襲したもので、同社MDR-Z7など本格的なヘッドホンアンプがなければ実力を発揮できないような上位クラスのヘッドホンでもへこたれない。
これ1台とパソコン、スマートフォンなどがあれば、それだけで“机の上の音楽空間”を演出できる。とりわけ、ヘッドホンからオーディオに興味を持ち始めたという人にオススメしたい製品だ。
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