将来は絵の勉強がしたい… 《朝ドラ あんぱん》モデルのやなせたかし 「育ての親」からの凄い一言
厳しい現実を直視させたうえで、伯父はこんな提案を続けた。
「だが、図案をやれば、将来、職業になるんじゃないか」
伯父からのそんなアドバイスを受けて、やなせは京都高等工芸学校の図案科を受験。同時に東京美術学校についても、将来の職業につながりそうな図画師範科を受けた。
しかし、ともに不合格。浪人して今度は図案科のみに絞った。当時のことをやなせは、こう振り返っている。
「図案科とはいったい何か、実はぼくは何も知らなかった。ただ、前年に美校を受験した時、受験生のやっている実習の作業を見てはじめて、『あんな風にするのか』と眼で学んだくらいである」
卒業後に待っていたこと
図案なら飯が食える――。伯父のアドバイスで夢を具体化したやなせは、苦手な数学に苦心しながらも、東京高等工芸学校の図案科に合格を果たす。
そこでやなせは、中学時代とは打って変わって、同じ目標を持つ仲間たちと、存分に学園生活を楽しんでいる。
しかし、また人生が急変する。卒業から1年後、やなせを待っていたもの。それは徴兵だった。
【参考文献】
やなせたかし『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)
やなせたかし『ボクと、正義と、アンパンマン なんのために生まれて、なにをして生きるのか』(PHP研究所)
やなせたかし『何のために生まれてきたの?』(PHP研究所)
やなせたかし『アンパンマンの遺書』 (岩波現代文庫)
梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』 (文春文庫)
真山知幸『天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?』(サンマーク出版)
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