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将来は絵の勉強がしたい…  《朝ドラ あんぱん》モデルのやなせたかし 「育ての親」からの凄い一言

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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息子の決心を聞いた父は「せっかく音楽学校に入ったのだから……」という言葉を発することなく、こう答えた。

「わかった。自分のやってることがわかってるんなら、かまわないさ。でも何をするにしろ、しっかりやれ」

さらに、こんな問いかけをした。

「マイルス、窓の外の鳥の鳴き声が聞こえるか? 自分の鳴き声がないモッキンバードさ。他の鳥の鳴き声はなんでも真似るが、自分の鳴き声がないんだ」

さらに、マイルスに「自分だけのサウンドを身につけることが一番大事なんだぞ。自分自身に正直にな」と強烈なメッセージを放って、その背中を押している。

マイルスは父の言葉を胸に音楽の道に突き進み、「ジャズの帝王」として名を馳せることとなった。

またこんなパターンもある。黒澤明はもともと画家志望だったが、美術学校の受験に失敗。たまたま目にした求人募集に応募したことをきっかけに、映画会社に入ることになった。

だが、どうにも気が進まない。もともとやりたい絵の仕事からはかけ離れているし、見学した撮影所で女優がドーランを塗りたくるのが薄気味悪く感じたのだ。

躊躇する黒澤の背中を押したのは、父のこんな言葉だった。

「いやならいつでもやめればいい。しかし、何事も経験だ。1カ月でも1週間でもいいから、行ってみたらどうだ」

黒澤は父の言葉に「それもそうだ」と思い、映画業界へと飛び込んだところ、どんどん映画作りにのめりこんでいった。やがて「世界のクロサワ」として、海外に日本映画の存在を知らしめることになる。

子どもの可能性を伸ばすのも、潰すのも親の言葉次第だといってよいだろう。

夢を具体化させた伯父のアドバイス

やなせたかしの伯父はどうだったかというと、あくまでも本人の意思を尊重した。まだやりたいことが見つかっていないならば……と、病院を継ぐ道もあることを示したにすぎない。「絵を勉強したい」という、やなせに反対することはなかった。

とはいえ、画才で道を切り拓くのには困難が伴うこともまた事実だ。やなせにこんな率直な意見も伝えている。

「好きな道に進むのはいいが、田舎の中学で少し絵がうまいくらいでは、それで食べていくことができるとは思えない」

横浜にあるアンパンマンこどもミュージアム(写真: yu_photo / PIXTA)

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