42歳で再婚後、夫に≪1000万円の借金≫が発覚も離婚しない&”今が一番精神的に安定”。女性が紆余曲折を経てつかんだ「自分らしい生活」

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ただし、邦彦さんは「ポジティブすぎる」という欠点もある。発覚したのは、移住のために退職し、一時的に無職になったときのことだ。

「生活費が足りないので50万円貸してほしい、と頼まれて、あれ?と思いました。それぐらいの貯金がないのはおかしいですよね。問い質したら、仮想通貨で騙されることを繰り返して、1000万円ぐらいの借金があることがわかったんです。前職での高めの給与収入があったので、クレジットカードを何枚も持てたので金額が膨らんでいました」

激怒した直美さんは邦彦さんを糾弾しつつ弁護士に借金整理を依頼。邦彦さんのカードはすべて失効させて、毎月30万円ずつ返済する計画を遂行中だ。

「また同じようなことをしたら、すべてを私に渡して離婚することを公正証書で約束させました。移住先では、生活費も家事分担も彼が多めに負担しています。苦手だという料理も覚えてもらいました。不妊治療を検討中でしたが、彼の借金が発覚してからはむしろ子どもがいなくてよかったと思っています。いたら離婚しにくくなりますから」

配偶者という他人との「折り合いの付け方」

かつては「大人しくていい子」を演じていたと振り返る直美さん。自分を傷つけるような男性に固執していた時期もあった。しかし、現在はその片鱗もない。寛容で優秀だけど脇が甘い邦彦さんを愛しつつも締めるところはきっちり締めている。

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その後も邦彦さんは意気消沈した様子もなく、相変わらず飄々としていると直美さんは笑う。邦彦さんはやはりちょっと変わった人物なのだろうか。いや、直美さんの「パートナーにはいつも明るくいてほしい」という希望が投影されている可能性もある。それでいいのだ。配偶者であっても他者であり、すべてを理解して把握することはできない。

「私も少しは成長したと思います。自分の機嫌は自分で取れるようになりました」

配偶者の欠点はフォローし、いいところは最大限に膨らませて見つめて、折り合いをつけること。夫婦という共同生活の中で自分らしく暮らしていくためのコツと言えるかもしれない。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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