「昇格」の本当の意味、答えられる? 言ってはいけないビジネス用語の「黒い真実」をビジネススクール教授が解説

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よくあるのが、昇進と昇格の混同です。この2つの言葉は似ていますが、違います。

昇進は、例えば課長が部長になるなど、肩書が変わるので、名刺も変わります。一方昇格は、等級が上がることで、給料は上がりますが、名刺には普通刷りません。

乾杯の機会が多いのは、昇進のほうです。「課長、昇進おめでとうございます」ということで部員が集まったり、自宅で贅沢な食事をすることがあります。

昇進は、業務やノルマはそれまで以上になるため、必ずしもおめでとうとはなりません。場合によっては、残業代が出なくなり、手取りが減ることもあり、社宅から出なくてはならない会社もあります。

損ばかり!? 管理職になると待っていること

また、昔の部長や課長は、管理業務をすることが仕事でしたが、現在ではプレーイングマネジャーとして、自らも現場一線で働かなければいけません。さらに気をつけないと、パワハラ、セクハラ、〇〇ハラのオンパレードです。気を配らなくてはならないことが増え、ストレスも増える一方です。

最近の若者から見ると、「昇進を断ればよかった」と、1年前の自分を懐かしがっている管理職のほうが正常で、嬉々としている管理職は、マゾヒストにしか見えないのでしょうか。

(山田英夫『図解 ビジネス版 悪魔の辞典』より)
【類義語】
▶【類】昇進 ①名刺を刷り直すために必要な儀式。②家族で乾杯することもある。
▶【類】リーダーの仮面 それまで「仮面」を被らなくても働けていた幸せな人が、昇進にあたってようやく身につける仮面。
山田 英夫 ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授

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やまだ ひでお / Hideo Yamada

1955年東京都生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授。

慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。三菱総合研究所にて大企業の新事業開発のコンサルティングに従事。1989年早稲田大学に転じ、2025年3月まで早稲田大学ビジネススクール教授。専門は競争戦略論、ビジネスモデル。博士(学術、早稲田大学)。製薬、エレクトロニクス、金融、食品企業の社外監査役・社外取締役を歴任。主な著書に、『図解 ビジネス版 悪魔の辞典』(東洋経済新報社)、『異業種に学ぶビジネスモデル』『競争しない競争戦略』『ビジネス版 悪魔の辞典』(以上、日本経済新聞出版社)、『カニバリゼーション』『成功企業に潜むビジネスモデルのルール』(以上、ダイヤモンド社)、『ビジネス・フレームワークの落とし穴』(光文社新書)、『逆転の競争戦略 第5版』(生産性出版)など。

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