【開発者に聞いた】ソニー・ホンダ「協業の仕方」をAFEELA 1のデザインから解き明かす

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もうひとつ、AFEELA 1はインタラクティブであることもトピックになるだろう。

取材車に自分の名前が表示されていて驚いたフロントのメディアバーは、スマートフォンを使っていろいろカスタマイズ可能とのこと。ドアの開閉はスマートフォンやカードキーで対応可能で、オープナーが隠されたドアは、オーナーが近づくと自動で開き、ブレーキペダルを踏むと閉まる。

ソニーならではのエンターテインメント性が発揮される(筆者撮影)
ソニーならではのエンターテインメント性が発揮される(筆者撮影)

行き先は、AIを活用したパーソナルエージェントとのやりとりでセットできるし、エージェントからのリコメンドを受け取ることもできる。テーマや雰囲気に合わせた演出が用意される車内イルミネーションも、カスタマイズできる。

SDV(Software Defined Vehicle)という概念が最近話題になっているが、これほど広範囲でSDVを活用しているクルマは、まだまだめずらしいのではないだろうか。

立ち位置が異なるからこそ協業が生きる

ソニーは今やモノづくりだけの会社ではない。売上高のトップはゲーム&ネットワークサービスであり、音楽や映画を含めたエンターテインメント部門で、グループの売り上げの半分以上を占める。ホンダは今もメーカーだが、ソニーはむしろクリエイターと呼ぶほうがふさわしいかもしれない。

今回、話を聞きながら思ったのは、その点だ。ソニーとホンダの立ち位置は、昔より離れているような気がする。だからこそ協業が生きるし、クルマとの付き合い方が多様化して、SDVが注目されている今こそ、AFEELA 1を送り出したことは価値がある。

それでいてお互いに言いたいことをいい、でも相手を尊重しながら、目標に向かって邁進していくという、2社ならではの部分もしっかり残っているようだった。

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あとは乗ってどうかが気になるけれど、自分を含めて多くの日本人が親しんできたソニーとホンダの精神や情熱が、AFEELA 1にしっかり反映されていることはわかった。

【写真】開発のは背景を踏まえてもう一度「AFEELA 1」を詳しく見てみる(20枚)
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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