「大阪IR」不動産鑑定の奇妙な一致に訴訟6件の泥沼。2030年に開業予定だが地元では不満が噴出
今年2月、夢洲にある別の市有地を変電所として関西電力へ売却する際に大阪市が提示した賃料が1平方メートル当たり33万円だったことを、朝日新聞が報じた。
3月19日の裁判期日に原告は、本来33万円相当であった賃料が不自然な鑑定方法を用いた結果、12万円と低く設定されている疑いについて改めて追及を強めた。
賃料以外にも優遇措置
大阪IRに対しては、賃料以外にも優遇措置が取られている。
松井前市長は当初「カジノには税金を使わない」と言明していたが、大阪市は土壌汚染対策や液状化対策の土地改良工事として公費788億円を投じている。この工事についても差し止め訴訟が起こされている。
さらに昨年10月1日、大阪市から事業者に敷地の9割以上が引き渡されたにもかかわらず、賃料の支払いは発生していない。土地改良工事が終了するまで大阪IRは無償で土地を使用できる契約になっているのだ。
これに対しても、無償利用させている用地の賃料を請求するよう求める訴訟が起こされた。
大阪IRについては3市民グループによる計6件の訴訟が提起され、期日のたびに大阪地裁の前には傍聴希望者が詰めかけている。
格安賃料差し止め訴訟の弁護団長、長野真一郎氏は「手を挙げた業者に逃げられたら日本維新の会の看板政策はお釈迦(しゃか)になってしまう。それを恐れて過度な優遇措置を連発していたのではないか」と指摘する。
開業3年目の年間売上高を5200億円と見込み、来訪者数は年間2000万人と予測する大阪IR。計画がすんなり進むのか、予断を許さない。
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