アストラゼネカは2021年、中国初のグローバル戦略R&Dセンターを上海市に開設した。それに続く北京の研究開発拠点では、最先端のAI(人工知能)やデータサイエンスを駆使して新薬の探索研究や臨床研究に取り組む計画だ。

同社にとって、中国はグローバル戦略上の極めて重要な市場になっている。2024年の中国売上高は64億ドル(約9510億円)と前年比11%増加し、同年の世界売上高(541億ドル=約8兆387億円)の12%を占めた。
「脱税疑惑」の影響リスクも
とはいえ、アストラゼネカの中国事業は敏感な問題も抱えている。2024年9月、がん治療薬を不正に輸入した疑いなどで同社の社員や元社員5人が中国当局に拘束され、中国事業の総責任者を務めていた王磊氏も取り調べを受けた。

アストラゼネカの情報開示によれば、同社は2025年1月に広東省の深圳税関から通知書を受け取り、90万ドル(約1億3373万円)相当の輸入関税を脱税した疑いを指摘されたという。
仮に有罪が確定した場合、アストラゼネカは脱税額の最大5倍の罰金を科され、事業活動にも制約を受ける可能性がある。なお、同社は中国当局の捜査に引き続き全面協力する姿勢を明示している。
(財新記者:崔笑天)
※原文の配信は3月21日
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