
中国とヨーロッパを結ぶ国際貨物列車「中欧班列」に異変が起きている。2025年に入って以降、中国側のターミナルで積み込まれる貨物が目に見えて減っているのだ。
物流情報サイトの中欧班列網のデータによれば、中欧班列の2025年1月から2月までの運行本数は往路と復路の合計で2658本と前年同期比1割近く減少。同じ期間の貨物輸送量は28万800TEU(20フィートコンテナ換算)と同11%減少した。
中国発の往路に限ると、貨物輸送の低迷がより鮮明になる。1月から2月までの往路の運行本数は1177本と前年同期の4分の3にとどまり、貨物輸送量は12万8500TEUと同26%も落ち込んだ。
自動車の対ロ輸出が減少
「例年なら、中欧班列の輸送需要は春節(中国の旧正月、2025年の元日は1月29日)の連休明けから回復するが、今年はそれが遅れている。中国の華東地区からロシアのモスクワまでの運賃は、2024年10月には40フィートコンテナ1本当たり9000ドル(約134万円)ほどだったのが、現在は半額の4500ドル(約67万円)だ」
上海で国際貨物輸送の仲介事業(フォワーダー)を営む楊傑氏は、財新記者の取材に対してそう証言した。
楊氏の見立てによれば、需要低迷の背景には中欧班列の沿線国であり主要な目的地の1つでもあるロシアで、複数のマイナス要素が重なったことがある。具体的には、中国からロシアへの自動車輸出の減少、ロシアの景気減速による購買力低下、ロシアを通過するヨーロッパ行きコンテナの “差し押さえ事件”などだ。
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