2023年の上半期(1〜6月)、中国は日本を抜いて世界最大の自動車輸出国となった。中国海関総署(税関)の通関統計によれば、上半期の中国の自動車輸出台数は234万1000台。一方、日本自動車工業会が発表した日本の輸出台数は202万3000台だった。
過去3年間、中国の自動車輸出台数は毎年100万台のペースで急拡大を続けてきた。2021年の輸出台数は201万5000台、2022年は311万1000台を記録し、2023年は400万台の突破が確実とみられている。
グローバル大手の盲点突く
中国の自動車輸出の急増は、複数の要因が重なった結果だ。世界の自動車業界では、半導体メーカーの生産能力不足や新型コロナウイルスの世界的大流行の影響などにより、2020年から車載用半導体の供給が逼迫。完成車の生産が制約を受けるなか、大手グローバル・メーカーの多くが、限られた量の半導体を(高級車など)利幅の大きい車種の生産に優先的に振り向けた。
これに対し、中国の自動車メーカーはより柔軟な戦略をとった。国内市場の過当競争を避けて、海外市場に積極的に進出。(発展途上国向けの大衆車など)グローバル大手の販売が手薄になった市場で、商機をつかむことに成功したのだ。
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