「70歳のステージじゃない」「紅白見てハマった」51周年のバンド《THE ALFEE》が再ブレイクのワケ…一度も“活動休止せず”走り続けてきた凄み
ということで、1970年代前半は、まさに音楽グループ戦国時代。すでにGARO、チューリップ、かぐや姫、オフコース、グレープがヒット曲を飛ばしていた。
THE ALFEEと同じ1974年デビュー組には、ふきのとう、甲斐バンド、山本コウタローとウィークエンド、NSPなど実力派がズラリと並ぶ。
演歌勢やアイドルの名曲も多く、右を見ても左を見てもライバル。この中でヒット曲を出して売れるのは大変で、当初は路線変更の連続だった。
桜井の艶やかな歌声を軸にバンドを展開するはずが、ルックスが華やかな高見沢がボーカルになり、桜井は弾いたことのないベースギターを持たされた。さらに、3枚目シングル「府中捕物控(ふちゅうとりものひかえ」は、社の判断により発売が突如中止になるなど、トラブルも続く。
レコード会社を脱退し、オリジナル曲で勝負するようになり、時にはバックミュージシャンとして活動、またあるときはライブのチラシを自分たちで配布し――。「メリーアン」(1983年)での大ブレイクまで、実に9年。長い下積み、紆余曲折・波瀾万丈のバンド人生だった。
傍から見れば、これで誰一人腐ることなく、仲良く続けたのは奇跡的だ。ぬるま湯の関係というが、よほど心地のいい温泉レベルの「ぬるさ」だったのだろう。
その模索が、すべて笑い話になり、楽曲の礎になるほどの……。

東京ドームのこけら落としで歌われた「あの名曲」
「メリーアン」のヒット以来、THE ALFEEの豊かなハーモニーは広く認知された。バブルに向かい上昇していく時代ともマッチし、ベストテン番組の常連であった。
時代が変わり、歌のランキング番組が軒並み放送終了を迎えた1990年以降も、「Promised Love」などのドラマ主題歌、「太陽は沈まない」などスポーツの祭典のテーマソング、「KO.DA.MA.」といったアニメ主題歌など、昭和、平成、令和を通し、いつもどこかでTHE ALFEEのサウンドが、時代を彩っている。
若い世代の中には、3人の姿は見たことがないが、歌は知っていて、紅白歌合戦で一致した、という人もいることだろう。
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