加熱化するお受験で「ダメになってしまう子」の親が《見落としている“5つのこと”》 IQとEQを育てるポイントがある
親が、つらく困難な受験に対し、それを乗り越える意味があるのだという、たしかな信念を持つ必要があるのです。そうでなければ、子どもを数々の困難に立ち向かわせることはできません。
子どもにとってお受験は悪影響?
親にブレない「目的」が必要という前提を書いておきながら、いきなり否定的なことを書きますが、近年子どもの受験の悪影響が問題になっているそうです。
東京首都圏では受験戦争が過熱しているためか、中高一貫校が増えていると言われています。
中高一貫校のウリは、高校3年生までの学習を高校2年生までで終わらせて、最後の1年間をまるまる受験に当てられるということです。「高校の予備校化」と言われますが、大学受験のサポートを手厚くしてくれる高校が増えているため、逆に大学受験のサポートが少ない学校には親からクレームが出るようになっているそうです。
しかし、その弊害も生まれています。
先生や親から言われたことをきちんとこなす、「自主性」のあるいい子が増えている一方で、自分で学習プランを考えていくような「主体性」のある子どもは少なくなっているというのです。
ちなみに、自主性と主体性は違うと言われています。自主性とは、上から言われたことを前向きにこなすことであり、その実態は受け身です。他方、主体性とは、自らが主体となって、自分で考え、行動できる力です。
いまの受験のあり方は下手をすると、自分で考えない、主体性のない子どもをつくってしまう傾向があるのかもしれないと言われているのです。
無気力で自分で考えることができず、与えられないと何もできない。うまくいかないと、サポートが弱いとクレームをつける。皆さんの職場には、そういった若者が増えていないでしょうか?
加えて、いまの若者は、自分の強みも弱みにも関心がないそうです。「自分は価値のある人間だと思いますか?」というアンケートに、「価値のない人間だと思う」と答える子どもの比率が、中学生で55%、高校生で65%という恐ろしい結果が出ています。
いま、多くの親が「コスパのいい受験」「タイパのいい受験」を求めています。
いかに少ない労力で、偏差値の良い大学に入れることができるか。そうやって加熱した受験戦争のあとに生み出されてしまったのが、主体性も自信もない、言われたことしかできないいい子ちゃんだとしたら、それは大変なことです。
自主性と主体性についてもう一歩踏みこんでみましょう。