日本企業が女性管理職の育成、起用に本腰を入れ始めたことが背景にあるのだろう、海外から女性活用を推進する団体幹部の来日が相次いでいる。
アジア各国の女性企業幹部を集めた会議を開催
大手企業の女性取締役をメンバーとするグローバルネットワークのWCD (WomenCorporateDirectors)もその一つ。9月にはアジア各国の女性企業幹部を集めた会議を東京で開催した。CEOで共同創業者のスーザン・スタウトバーグ氏は日本に注目し始めたきっかけとして「女性役員を増やすための法的枠組みが動いている国は拠点として価値がある」ことを挙げ、「世界の優良企業でみられるよう、私たちは役員会に3人の女性を送り込みたい。3人目が入ってようやく本格的に活躍しているといえる」と、役員会におけるダイバーシティの重要性を強調する。
15年6月にLIXILグループの社外取締役に就任したバーバラ・ジャッジ氏は、弁護士や取締役としてグローバルに活躍している人物だ。その彼女も「独立した社外取締役として少なくとも2人の女性が必要。1人だと特別な存在になるが、2人いれば自然。私自身、(人数を割り当てる)クオータ制はよくないと考えていた時期もあったが、きっかけとしては必要だと考えるようになった。それまで注目されることのなかった優秀な女性に目がいくようになるから」と話す。
WCD日本支部は2013年に活動を開始したが、この2年で環境は大きく変わった。共同幹事でジェーシー・コムサ会長の大河原マール愛子氏は「立ち上げのころは女性役員をリストアップするのも大変で、役員名簿をみて『名前の最後が“子”だから女性だろう』と探すありさまだった。この2年で女性役員数比率が1%増えたという調査がある。1%は少ないかもしれないが、人数にすると450人。女性の起用が大切という政府の方針は大きな追い風になっている」と話す。
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