O2Oビジネスの先端手法・ゲーミフィケーション《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第5回》
自分のiPhoneアプリの中に、ケンタッキー・フライド・チキンやローソンといったおなじみの店舗を建て、自分好みの街を作って楽しむ人達が増えてきている。
その背景には、「ゲーミフィケーション(gamification)」という仕掛けがある。
「ゲーミフィケーション」はいま、世界のIT業界で注目されている単語だ。知らず知らずのうちに人々を熱中させ、没頭させてしまうゲームの仕掛けを指す。利用者の気持ちや意欲を高め、楽しんで積極的に参加し続けてくれることを目的としている。今、ゲームではない分野への応用が始まっているのだ。
大手IT調査会社・ガートナーは、ゲーミフィケーションの可能性を高く評価している。2015年までに50%以上の企業がゲーミフィケーションの手法を導入すると予測。ゲーミフィケーションの応用が期待できる分野としては、企業のイノベーション、マーケティング、顧客維持、教育、健康、社会貢献などが挙げられる。中でもマーケティングや顧客をつなぎ留めておく分野では、顧客との長期的・良好な関係を築くための手法として、ゲーミフィケーションが注目されている。
ゲーミフィケーションの仕組みの代表的なものとしては、次のようなものがある。
まず、利用者が短期で達成できるクリアで明確な「課題や目標」を用意する。目標を達成した後には、ポイントやアイテム、レベルアップなどのちょっとした「報酬」を用意することで、満足感を与える。報酬が利用者の参加継続の動機づけとなることを狙っている。