O2Oビジネスの先端手法・ゲーミフィケーション《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命 第5回》

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たとえば、ケンタッキー・フライド・チキン。アプリ上の自分の街にケンタッキー・フライド・チキンの建物を配置できるうえ、3回訪問するとカーネル・サンダース像のアイテムを取得できる。10回訪問するとスタンド看板のアイテムがもらえる。ケンタッキーにとっては、アイテム取得を目的にした来店が期待できるようになるのだ。

ゲーミフィケーションを利用して、リアル店舗への集客だけではなく、リアル商品の購入を促進できる。

MyTownとドン・キホーテは、11年12月21日から12年1月31日まで、レシート広告と連携したキャンペーンを全国214店舗で実施した。実際のドン・キホーテの店舗付近でチェックインを行うと回数に応じて、「宝箱」アイテムを取得できる。「宝箱」を開けるには「鍵」アイテムが必要。「鍵」アイテムは、ドン・キホーテで商品を購入した際のレシートに印刷されているQRコードを読み取ると入手できる。「宝箱」を開くと、MyTownの限定アイテムをもらえる仕組みだ。

通常のクーポンやポイントと異なり、実際のリアル店舗での割引ではないため、キャンペーンを実施する企業の負担が少ないことも大きなメリットになっている。

企業にとって大事なのは、消費者に商品・サービスあるいは企業そのものに対して、継続して愛着を持ち、繰り返し足を運んでもらうこと、商品を購入してもらうことだろう。ゲーミフィケーションのノウハウを駆使したO2Oビジネスは、企業にひとつの解を与えている。

(ITアナリスト・松浦 由美子 =東洋経済オンライン)

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