「優秀な営業」マネジャーになると罹る"厄介な病" 必要なのは「メンバーに稼いでもらう」こと
例えば、新しい食品を発売したとしましょう。当初はいままでにないおいしさで売れたとしても、多くの場合、すぐに競合が廉価版の模倣品を出します。この時点ではもちろん、先発品のほうがおいしいに決まっています。
しかし、時間が経つとともに、競合との味の差が縮まって、最後には「これくらいの味の差なら安いほうがよい」という消費者が増えてしまいます。
営業面では、顧客にとって「営業担当と会う必要がなくなった」ことが大きいでしょう。日本では2020年から数年間、新型コロナウイルスの大きな影響によって、営業回りを伴う商談が抑えられた結果として、顧客が「営業担当と会わなくても購入検討できる」ことに慣れてしまいました。
また、そもそもインターネットを利用して情報収集が容易にできるようになり、説明してもらわなくても商品・サービス選択ができるようになってきています。
人材の面では、いわゆる「昭和の時代」の営業であれば、「俺についてこい」「背中を見て学べ」「死ぬ気で働け」「売れるまで帰ってくるな」という勇ましい掛け声でもそれなりの活動ができていました。
いまやこれらの言動はパワーハラスメント(パワハラ)になってしまいますし、20代の営業担当者は素直に言うことを聞く前に転職してしまうでしょう。
「自分の仕事」に集中することも難しい
また、特に日本の上場企業の営業マネジャーは、管理職としてやらなければならないこと、例えば、メンバーの労務管理、コンプライアンスへの対処、上司への説明、人事との調整等、さまざまな「売上を上げる」以外の仕事があり、自分の仕事に集中することすらも難しくなっています。
これらの事象が営業マネジャーを大きく苦しめています。しかし、苦しいからといってそれで終わってしまっては営業マネジャーの役割を果たせません。
営業マネジャーは、日々、上記のようなさまざまな問題と戦い、解決することによって成果を上げていく必要があります。何も問題がなければ、マネジメントをする必要もなく、営業マネジャーも不要だからです。
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