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AI開発競争でオープンAIのライバル、「安全なAI」をうたうアンソロピックが日本へ本格上陸、高い安全と倫理で競争を勝ち抜けるか

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アンソロピックの幹部は10月29日に高市早苗首相を表見訪問した。高市首相の左隣が、アンソロピックのダリオ・アモデイCEO(写真:アンソロピック提供)

社会的にも、株式市場としても最も注目を集めるのがAI(人工知能)の開発競争。先頭を走るアメリカのオープンAIの「最大のライバル」とも目される企業が日本に上陸した。

アメリカのAI開発新興企業、Anthropic(アンソロピック)が10月29日、日本での拠点を開設した。「倫理的で安全なAI」の開発を標榜する同社の生成AI「Claude(クロード)」は、すでに楽天やパナソニックなどでも利用されており、今後日本でのさらなる法人顧客やパートナー企業の開拓に向けて営業活動を本格化する。

生成AIといえば、オープンAIの「ChatGPT」、次いでグーグルの「Gemini」あたりが一般的に馴染み深いだろう。が、ここのところ、何かと話題が多いのがこのアンソロピックだ。

今年9月には130億ドル(約1兆9500億円)を調達したほか、10月24日にはグーグルが同社に数百億ドル規模のAI半導体を供給することで合意した。創業者のダリオ・アモデイCEOがオープンAIの出身とあって注目度は高まるばかりだ。

高市早苗首相とも面談

今回の日本進出には気合が入っていたようだ。アモデイCEOや最高商務責任者、AI開発研究者たちが連れ立って来日。10月27日には研究者や開発者を招いて、トークセッションを含めた懇親会を開いたほか、28日にはアモデイCEOも出席して開発者会議を開催した。

29日には高市早苗首相を表敬訪問。「私たちは、これまで他のあらゆるAI企業で働いた経験を経て、『安全で責任あるAI』の実現に専念する会社をつくりたいと考え、アンソロピックを設立した。私たちは日本の市場から価値を搾取するために来たのではない。日本の皆さんや企業と協働し、新たな経済的価値を生み出すためにここに来た」(アモデイCEO)と語っている。

そのほか自民党のデジタル社会推進本部訪問や企業経営者との面談、AIシステムに関するルールづくりの枠組み「広島AIプロセス」の会合への参加、さらには記者会見を開催するなど、たんなる新興企業とは思えないほど盛りだくさんな「ジャパンツアー」を展開した。

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