手作り「ドバイチョコ」大ブームで高額転売の狂騒 サクサクとした食感、濃厚なピスタチオ風味が特徴

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冒頭で触れたように、日本でもFIXチョコレート風ドバイチョコレートが多数登場するようになってきた。高級トルコスイーツブランド「divan(ディヴァン)」も、2025年1月から「ドバイチョコレート」の発売を開始。銀座松屋などで購入できるように、ここ日本でも着実にドバイチョコレートのトレンドの波が押し寄せ始めている。だが、元祖であるFIXチョコレートが海を渡る機会は、まだ先になりそうだ。

世界的トレンドになったとはいえ、もともとは自宅の作業から始まった副業的プロジェクトだ。現在、スタッフの数は50人まで増えたが、世界的な進出に対しては慎重。類似商品が登場することについても、「似たような商品が登場しているのを見ることもありますが、それは私たちが前進し続けるべきだという良い刺激になっています」とサラさんは余裕をもって答える。

「地元のお客様だけでなく、国際的なお客様にも私たちのバーを届ける機会を得られたことは、信じられないほど素晴らしいことです。日本の皆さんにもFIXが生まれた地・ドバイを訪れて、現地でオリジナルの味ーー製造から3日以内のフレッシュな状態を楽しんでほしいです」(サラさん)

ドバイという土地柄が生んだ創造性

また、この成功の背景には「ドバイという野心と創造性を育む特別な街であることも大きい」とサラさんは続ける。

ドバイは多国籍の人々が暮らし、交流する街だからこそ、いろいろなものを受け入れる度量がある。アイデアを尊重し、自由にやることを推奨する風土がある。革新性があったからこそ、FIXチョコレートはASMRから人気に火が付くという、新しい潮流を生み出したとも言える。

また、街の大きさがコンパクトゆえ、住民たちの間で話題が広がりやすい。面白いものが生まれれば驚き、経済的にも余裕がある人が多いため購入することをためらわない。

ドバイチョコレート
甘いシナモンフィロペストリー(中東やバルカン半島のとても薄いイーストを含まない生地フィロで作られたペストリー)とバニラカスタード、キャラメル、ピーナッツバターを合わせた「Butter to Be Safe than Salty」など数種類のラインナップがある(写真提供:ドバイ経済観光庁)
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