「まるでラーメンなパスタ」が流行りつつあるワケ SNS映えと回転率が両立、男性も楽しめる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここで紹介したいずれの店のスープパスタの共通点は以下の3点だ。 

1 下皿にあふれるほどの盛り付け 
2 熱々のスープ 
3 ニンニクを利かせたジャンクな味付け 

この3点が、スープパスタをやみつきたらしめる理由だ。 

まず「①下皿にあふれるほどの盛り付け」はSNS時代の現代にマッチする。見た目のインパクト抜群のパスタの写真が拡散されやすく、さらなるお客を呼ぶことは想像に難くない。 

見た目に加えて、「②熱々のスープ」「③ニンニクを利かせたジャンクな味付け」であることも重要だ。これによりパスタというよりラーメンに近い料理になっている。

パスタ、イタリアンといえば女性向けのオシャレな店というイメージが強いが、ラーメン的要素が入ることで男性にも向く仕立てになっている。実際に上記の店には男性客も多くいた。 

男性向けに「ラーメン化するパスタ」 

飲食店は、お酒とともに料理をゆっくり楽しむ「アルコール業態(ディナー業態)」と、食事のみをサッと食べる「食事業態」がある。

前者が時間をかけて食事を楽しんでもらうことで客単価のアップを狙うなら、後者の食事業態はなるべく多くのお客をさばき、回転率を重視することで利益を出す場合が多い。この食事業態は女性客とは相性が悪い。というのも、女性は複数人で来店し、おしゃべりで長居することもしばしばだからだ。 

「かつや」「からやま」などを運営するアークランドサービスホールディングスが、都内を中心に展開するたらこスパゲティ専門店「東京たらこスパゲティ」の話をしたい。

2020年に渋谷店がオープンした当初、男性アイドルのテレビ番組に取り上げられ、店の前にはアイドルのファンと思われる女性客による長蛇の列ができていた。

毎日あまりに行列がすごいので、筆者もためしに並んで入ってみたことがある。

筆者は一人で入ってサクッと食べて帰ったが、驚いたことに筆者が入店した時点ですでに食事は終了しおしゃべりに興じていた女性グループが、筆者が帰るころもまだおしゃべりで居座っていた。

その間、追加注文などはしてなさそうだった。そんなグループが複数見受けられ、「だからこんなに行列ができるのか!」と思うと同時に、行列の見た目ほど売り上げは立っていないのかも……と考えてしまった。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事