若手と企業が考える「安定している」の意味は違う そもそも「今どきの若者はすぐ辞める」も間違い

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方で2位の「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」は、2019年卒までの調査ではずっと1位でしたが、2020年卒で2位に陥落。そこから数字が落ち続けています。

3位の「給料の良い会社」は、以前はそれほど順位が高くなかったのですが、ここ数年で一気に順位を上げていて、来年か再来年には2位と3位が入れ替わる可能性もあり得ます。それほど、今の若者にとって「安定と給料」は大切な要素です。

若者にとっての「安定」の意味

しかし、ここで一つ疑問が生じます。安定と給料を求めているのなら、なぜ中小企業と比べて、大企業の早期離職率は上昇傾向にあるのでしょうか?

一見、矛盾しているように思えるこの現象に、若手社員の辞める理由を知るヒントが隠されています。キーワードは「安定の意味」です。

安定している会社と給料がよい会社が人気ならば、初任給を上げて、採用サイトや採用説明会では、会社の歴史や業績をアピールすれば応募が集まるはずです。

実際、採用サイトには、給料と安定をアピールしている会社がたくさんあります。中小・中堅企業の場合「弊社は、大企業の○○社が取引先なので、安定した収益があります」など、大手有名企業との取引をアピールするケースも散見されます。

企業が必死に伝えているのは「うちの会社はつぶれる確率が低い」という意味での安定です。しかし、実はこれ、若者が求めている安定とは違います。

若者にとっての安定とは、会社がつぶれるかどうかではなく「自分が食いっぱぐれないかどうか」という意味での安定です。つまり、会社そのものの安定というよりも、自身のキャリアの安定なのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事