都会的な男性のひとり暮らしの部屋に見えるが、実は大野さんは独身ではない。地元の大阪には、妻と高校生の娘、中学生の息子が暮らしている。
「9年前まで大阪の会社に勤めていましたが、東京の外資系IT企業に転職しました。妻は横浜に本社がある会社の大阪支社で働いていたので、家族で東京へ引っ越すこともできたのですが、妻は“東京には行きたくない”と断固拒否。
外資系企業への転職で先行きが不安だったこともあり、私だけが単身で東京に行くことになりました」(大野耕平さん 以下の発言すべて)
単身赴任ではなく、妻子と離れてでも東京で就職するというのは、大きな決断に違いない。そのモチベーションを、大野さんは「留学」にたとえる。
「就職した企業が単身赴任手当をくれるわけではないので、その分費用がかかります。それでも僕が東京で就職し仕事をしてみたいと思ったのは、東京にそれだけ多くのチャンスがあるからです。大阪で営業の仕事を11年してきて、これ以上の仕事をするには東京で最新の情報に触れ、人脈を増やす必要があると感じました。
大阪も都会ですが、東京は日本で一番情報も人脈も集まる場所。だから30代のうちに東京に移って勝負しよう、と。僕は海外留学経験もあるので、そのときに似たマインドです。単身、異文化の土地に入り込んで、そこで得られるものを得て帰る。今の立場は嘱託社員ですから、東京に根を張っているわけではない。その点も、海外留学に似ています」
仕事に専念し、キャリアを磨く部屋
会社に命令された「赴任」ではない。自らの意志で東京で職を見つけ、仕事に打ち込む、日常のライフスタイルについて聞いた。
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