妻子を残して単身東京に「仕事留学」10年目の部屋 そろそろ大阪に戻る道も視野に入れつつ惑う40代

✎ 1〜 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

都会的な男性のひとり暮らしの部屋に見えるが、実は大野さんは独身ではない。地元の大阪には、妻と高校生の娘、中学生の息子が暮らしている。

「9年前まで大阪の会社に勤めていましたが、東京の外資系IT企業に転職しました。妻は横浜に本社がある会社の大阪支社で働いていたので、家族で東京へ引っ越すこともできたのですが、妻は“東京には行きたくない”と断固拒否。

外資系企業への転職で先行きが不安だったこともあり、私だけが単身で東京に行くことになりました」(大野耕平さん 以下の発言すべて)

大野さん
大野耕平さん(45歳) 17歳でオーストラリア留学。帰国後大阪のIT系の専門学校で学んだ後に、IT系企業で営業職に従事。2016年に東京に移り、外資系IT系企業を経て、現職である製造業メーカーのマーケティング課課長。家族とは離れて暮らし、妻、高校生の娘、中学生の息子は大阪在住(撮影:梅谷秀司)

単身赴任ではなく、妻子と離れてでも東京で就職するというのは、大きな決断に違いない。そのモチベーションを、大野さんは「留学」にたとえる。

「就職した企業が単身赴任手当をくれるわけではないので、その分費用がかかります。それでも僕が東京で就職し仕事をしてみたいと思ったのは、東京にそれだけ多くのチャンスがあるからです。大阪で営業の仕事を11年してきて、これ以上の仕事をするには東京で最新の情報に触れ、人脈を増やす必要があると感じました。

大阪も都会ですが、東京は日本で一番情報も人脈も集まる場所。だから30代のうちに東京に移って勝負しよう、と。僕は海外留学経験もあるので、そのときに似たマインドです。単身、異文化の土地に入り込んで、そこで得られるものを得て帰る。今の立場は嘱託社員ですから、東京に根を張っているわけではない。その点も、海外留学に似ています」

仕事に専念し、キャリアを磨く部屋

ひとり暮らしをしている部屋
モダンな部屋。奥のマリメッコのカーテンは大阪に住む妻の手作り。手前の天童木工のバタフライスツールとあわせて、有機的なフォルムが部屋のアクセントになっている(撮影:梅谷秀司)

会社に命令された「赴任」ではない。自らの意志で東京で職を見つけ、仕事に打ち込む、日常のライフスタイルについて聞いた。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事