「人的資本経営=人を大切にする経営」は勘違いだ 超人手不足時代「見捨てられる会社」の特徴は?

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人材は「その人が成長し、能力を伸ばし、それを価値に変えていく」対象として捉えられることになります。

つまり企業は、人材が発電したエネルギーをただ消費するだけにとどまらず、「人材の能力=発電力」を伸ばす方向に注力することになるのです。

人的資本経営では「人材=投資する対象」

その場合、もし、その人材が「火力発電」をしているのなら、企業は電力のもととなる石油や石炭、天然ガスをその人材に供給します。

それに加えて、石油などの燃料をより「大きな電力」に換えられるように、発電機の物理的な仕組みを改良します。発電のために採用している発電原理もアップデートします。発電機が置かれている環境や立地も改善するかもしれません。

このようにして、「発電機=人材」が活躍しやすいように、さまざまなサポートを行うことになります。

すると、マネジメントは、人材の「管理」から人材の「成長を通じた価値創造」に重心を移すことになるでしょう。

それは、「いかにしてその人を育むか」「いかにしてその人を活かすか」といった、「人の育成」「適材適所を目指した配置」「状況に応じた内外の人材の登用・確保」を考慮するようになるということです。

こういった創意工夫によって、人的資本の価値をさらに伸ばすことができます。

そうなれば、人材に投じる資金は「コスト」というより「投資」として捉えられるようになります。

これが、旧来の「人を大切にする経営」と人的資本経営の違いです。

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