「人的資本経営=人を大切にする経営」は勘違いだ 超人手不足時代「見捨てられる会社」の特徴は?

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とはいえ、両者を混同して理解している人が多いのは事実です。

人事・採用の最終決裁者300人に人的資本経営に関する認識を聞いた日本総合研究所の調査があります。

それによると、じつに73.7%もの人が「(人的資本経営は)人を大事にする経営と同義であり、何か新しいことを行う取り組みではない」と回答しています。

そう、両者について「同じ」と認識している人が7割以上にものぼったのです。

まずはこの誤解を解くことから始める必要があります。

人を大切にする経営では「人材=資源=消費する対象」

旧来の「人を大切にする経営」の価値観では、企業にとって人材は「資源」、つまり、その人がすでに持っている能力やスキルなどを「使う」「消費する」対象として捉えられがちでした。

いわば、人材という発電機が発電したエネルギーを企業は「ただ使うだけ」という状況にあったのです。企業はシンプルに人材の「消費者」だったわけです。

この発想を出発点にすると、マネジメントは、いかにして電力の使用や消費を「管理するか」という方向に行き着きます。

電気代をどう節約するか。効率的に電気をどう使うか。そんなことばかり気にするようになりがちです。

このように、人材に投じる資金は「コスト」として捉えるのが旧来の考え方です。

しかし、これが人的資本経営の考え方にもとづくと、どう変わるでしょうか。

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