死を忌避し苦しみ長引く「安楽死」を巡る正論とは ALS患者は最後に眼球とまぶたしか動かせなくなる
![死が怖い人へ](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/e/1/570/img_e11142c1e5e86af955e108cc664da865274087.jpg)
ALS嘱託殺人に思う
2024年3月に京都地裁で、ALS嘱託殺人の被告の医師に、懲役18年の判決が下された。
事件は2019年11月に京都で起こった。全身の筋肉が萎縮し、最後は眼球とまぶたしか動かせなくなる難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者さん(当時51歳)から、SNSを通じて安楽死の要請を受けた医師が、女性に薬物を投与して死亡させたのである。
日本では安楽死が違法であること、SNSで依頼を受けたこと、主治医でもなく、前もって診察もしなかったこと、報酬を受け取っていたことなどが問題とされた。
その一方で、女性はSNSで医師と安楽死の打ち合わせをし、「先生だけが救いであり希望です」などのメッセージも送っていた。
世間の反応としては、一部に被告医師の行為を擁護する声もあったが、「命を救うことが使命の医師が、命を奪うなんて許せない」「医療を悪用した殺人」「命を軽視するのは言語道断」などの批判が多かった。
裁判を傍聴したALSの患者さんの中には、「何より大切な命を軽んじた行為だと示してほしい」と訴えた人もいた。女性患者さんの生活介護をしていたヘルパーは、テレビ番組でインタビューに答えて、「生きていてほしかった」とつぶやいた。いずれも死を全否定する側の意見で、賛同する人も多いだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら