Hさん夫妻も、十分な老後資金を準備して老後生活をスタートしました。
若い頃から爪に火をともすような生活を送り、5000万円ほどのお金を貯めました。
3人のお子さんに恵まれ、どなたも立派に独立されていました。
しかし、Hさん夫妻は「子どもや孫が遊びに来ない」とぼやくのです。
Hさん夫妻の娘さんと話す機会があったのですが、その理由を聞いて私も納得しました。
「実家に連れていったら、子どもが病気になる」
Hさん夫妻のお住まいは築50年の古家ですが、お金がもったいないので水回りのリフォームなどもしていないそうです。
古くなれば、どうしてもトイレなどは臭います。節約のために換気扇をあまり使用しないため、キッチンは油まみれ、お風呂はカビだらけ。キッチンのシンクもさびついて、衛生環境が不安なのだそう。
しかも「もったいない精神」からモノが捨てられず、家の中は古くて使わないモノがあふれているといいます。家電なども数十年前のものばかりで、泊まりに行っても不便が多いそうです。
娘さんは「モノが多いとホコリも出るし、あの家では子どもが病気になりそう。とても連れていけない」と言うのです。
現役の子育て世代と高齢者では、ライフスタイルや衛生観念に違いがあるのはわかります。
でも、「十分なお金があるのだから、リフォームくらいすればいいのに」というのが娘さんの言い分だそうです。
これには私も大賛成です。
これまで頑張って働いてきたのですから、多少お金はかかっても、清潔で暮らしやすい環境にアップデートしていただきたいと思います。
それでお子さんやお孫さんが遊びにきてくれるなら、そのほうが幸せなのではないでしょうか。
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