「お金貯め込みすぎた高齢者」が失う"3つの幸福" 「お金を使わない」のは本当に"いいこと"なの?

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最後の事例は、Sさんです。

Sさんは独身の男性ですが、若い頃からお金を増やすことに心血を注ぎました。資産運用も功を奏し、1億円超の金融資産をお持ちでした。

「お金がかかるコト・モノ」を切り捨てた人生だが…

Sさんは、お酒も飲まず、ギャンブルもせず、車も買わず、ブランドの服、外食、旅行、ゴルフなどのお金がかかる趣味などから目を背けて生きてきたそうです。

むしろ「そんなことにお金を使うのはバカだ」と考えていました。

そんなSさんですから「結婚や子どもはお金がかかる」と、独身を貫いてきたのです。

しかし、いざ老境に差しかかったSさんは、虚しさに襲われるようになったそうです。

たしかにお金があれば老後は安泰かもしれない。でも、日々を楽しむことをせず、「経験値の低い人生」だったのではないか。

「自分の人生は何だったのだろう……」と。

もちろん、私も過度な浪費には反対です。

しかし、人生を楽しむためには、身の丈にあった適度な支出が必要なのも事実です。

人生で最も大切なのは、お金よりも時間。お金はあなたの時間(人生)を充実したものにするための手段なのです。

そして、お金という手段を上手に使うためには、知識が必要です。

「終わりよければすべてよし」

悔いのない老後を過ごし、「幸せな人生だった」と一生を終えるためにも、お金や制度に関する知識を身につけ、若いうちから「正しい準備」をしてほしいと思います。

松尾 拓也 行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家

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まつお・たくや / Takuya Matsuo

行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。

行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。

1973年北海道生まれ。父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。

信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。

一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。

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