「お金貯め込みすぎた高齢者」が失う"3つの幸福" 「お金を使わない」のは本当に"いいこと"なの?

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Iさんご夫妻は、共働きで教育関連の仕事を続け、2人の息子さんを育てあげました。

節約生活を続け、だんだんお金が貯まっていくのが楽しかったそうです。

子どもにも決して贅沢はさせず「うちにはお金がない」と言って育てたのです。

老後に差しかかる65歳時点では、お互いの退職金を含めて9000万円ほどのお金をお持ちでした。年金も、暮らしていくには十分な額でした。

2人の息子さんはそれぞれ結婚して家庭を築き、長男は親と近居、次男は県外で暮らしていました。

仲がよかったIさんご夫妻は、80代で立て続けになくなりました。

ご夫妻が貯めた約9000万円は手つかずのまま、2人の息子が相続することになったのですが……。

相続をめぐり、「兄弟の意見」が対立

近居の長男が「しょっちゅう様子うかがいをしていたのだから、自分のほうが多くもらうべき」という主張をはじめたのです。

相続は平等と考えていた次男は驚き、それぞれの配偶者までが口を出す大騒動になりました。

結局、長男の相続割合を増やして手続きを進めることとなりましたが、このことが原因で兄弟は仲違いとなり、絶縁状態となったそうです。

しかも、いきなり大金を手にした長男は仕事をやめ、高級車を乗り回すようになったそうです。結果、夫婦仲が悪くなり、数年後に離婚となってしまいました。

もともと仲のよい兄弟だったそうです。

「子孫に美田を残さず」という言葉がありますが、「よけいな遺産がなければ、仲のよい兄弟のままだったかもしれない……」と考えると、残念でなりません。

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