言語化は「うまい言葉を使えばいい」という大誤解 元裁判所書記官が教えるうまい情報整理の本質
「言葉にできない」=「知識がない」わけではない
世の中は情報であふれています。スマホやパソコンを開けば、動画もニュースも誰かの意見も、とめどなく流れてきます。様々な情報を否応なく目にしていると、もはや、それが本当に自分の知りたいことなのか、必要なことなのか、わからなくなってきてしまう感覚すらあります。
さらに、私たちの頭の中にはすでに、誰かから学んだこと、本や映画などの内容、過去に自分で経験したこと、感じたことなどが、ごちゃっとしまい込まれています。
「〇〇については、あんなデータがあったような。でもあの有名人はこんな話をしていたな。私の体験としてはまたちょっと違うんだけど……」
頭の中にある様々な情報から自分の言葉を取り出そうとしても、絡み合って、なかなか出てきません。
こんなとき、言葉が出てこないのは知識がないせいだと思って、さらに新たな情報を探したりする人もいます。けれども、何かを足せば足すほど、余計に何が言いたかったのかわからなくなってしまいます。
その理由は、足りないからではなく、本来なら「ある」はずの自分の想いや考えを、ちゃんとした形で引き出せていないからではないかと思います。要するに「ない」から言えないのではなく、整理ができていないだけなのです。
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