金融庁検査、新方針は「形式」だけではNGに

新たな「金融行政方針」は実質的効果を追求

顧客志向で検査?

9月18日、金融庁は「平成27事務年度の金融行政方針」(以下、金融行政方針)を明らかにした。これまで金融庁は、金融機関に対する監督、検査のモニタリングの基本方針を毎年公表していたが、今回、これを「金融行政方針」として、より広範囲なものに衣替えするとともに、実質的な効果を追求するという方向性を明確に打ち出している。

「金融行政方針」は「金融行政の目的」「金融行政の目指す姿・重点施策」「金融庁の改革」の3つで構成されている。このうち、2番目の「目指す姿・重点施策」は幅広い分野を網羅する形で項目立てされたうえで、形式的な要件のチェックから、実質的な効果が得られるようなアプローチに重点を置く内容に変わった。たとえば、具体的な重点施策のひとつとして掲げているのが金融業の「フィデューシャリー・デューティーの徹底」だ。

本当に顧客志向かを実質で検証

フィデューシャリー・デューティーとは、米国の年金制度などで導入されている受託者責任の概念であり、この観点から「商品開発、販売、運用、資産管理に携わる金融機関の行動が真に顧客のために行動しているかを検証する」と言う。その場合、検証は実質ベースに重点を置いたものになり、これを通じて「銀行、証券会社など販売会社の系列下にある運用会社の経営の独立性など民間の自主的な取り組みを支援」する。

金融庁は昨年来、販売会社の系列下にある資産運用業者が親会社(販売会社)からの独立性を確保しておらず、顧客よりも親会社の意向(利益)を重視したビジネスを行なってきたことを「フィデューシャリー・デューティーの徹底」という観点から問題視してきていた。

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